防災の日。飼育犬や猫の災害対策してますか?

By | 2016年9月1日 更新:
Pocket

身の回りの備えと飼育している犬や猫の防災用品の見直しを

お盆を過ぎてから台風9号、そして先日の台風10号が過ぎ去った関東地方。台風の通過とともに秋の気配を感じる季節になりました。今年の8月は台風の上陸が多い事と、体験した事のない台風のコースに困惑する事も…夏も終わりが近づき快適な季節の到来とは裏腹に気になるのは本格的な台風シーズン。梅雨時よりも降水量が多くなる9月は水害などの災害も懸念され防災意識が自然と高まる季節。今日も台風12号が発生し週末にかけて不安定な天気になりそうですね。

disasters_01

今週8月30日〜9月5日までは防災週間、そして今日9月1日は防災の日です。
さかのぼる事93年前の1923年9月1日の正午、伊豆大島付近の相模湾北西部にある相模トラフを震源とする海溝型の「関東大地震」が発生した日でもあります。

私の祖母は明治生まれで「関東大地震」の体験者でもありました。祖母は足腰が弱く普段はのんびり過ごす日々を送っていましたが、一度地震が起こるとあっという間に素早く避難している姿が印象的な祖母でした。
というのも、93年前の震災当日、仕事中の職場で被災した経験があったからです。木造平屋建ての職場は地震発生から間もなく建物前方の玄関口に向かって一気に傾き、祖母は傾く建物とは逆方向の裏口を目指して同僚と共に一気に走り抜けたそうです。気がつくと家屋は倒壊、命からがら逃げ切ったそうです。運命を分けたのは逃げる方向の選択、裏口か表玄関か…この時、表玄関を目がけて避難した多くの同僚は倒壊した建物の下敷きになり亡くなったそうです。この祖母の体験談を防災の日になる度に聞かされていた事を今でも思い出します。

disasters_03

この関東大地震を教訓に、昭和35年に防災の日が制定されたそうです。
政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、あらゆる自然災害に対処する心構えを準備することが防災の日の心得だそうです。
防災の日の今日、都心では電鉄各社が大規模地震を想定して緊急安全停止訓練や徐行運転訓練を実施したり、首都高速道路では一時通行止めにするというリアルな防災訓練も実施されたそうです。

今日は数日前からあれこれ防災用品をチェックしていて感じた事やペット同伴避難の事、避難経路の再確認、迷子札のペットプロフィールの情報更新などについて、Petiesが感じたペット防災対策について触れてみたいと思います。

自然災害が発生しやすい日本

気象庁によると、日本は地形や地質、気象等の様々な自然条件から、台風や豪雨による洪水や土砂崩れ、土石流や地滑り、地震や津波、火山噴火などの自然災害が発生しやすい国土だそうです。

昨年度だけでも…
8月の広島土砂災害
9月の御嶽山噴火
9月の関東・東北豪雨
11月の長野県北部震源地震

今年に入ってからは…
4月の熊本地震
5月の口永良部島の噴火
そして、つい先日、日本を通過した台風10号も大きな被害をもたらしました。ここ近年では数えきれない程の自然災害に見舞われている日本。防災意識も以前と比べると大分高くなったように感じます。

犬や猫を飼育している飼主さんは避難経路の再確認を!

防災週間はあえて避難ルートの散歩を心掛けてみようと実践して3日目になります。防災を意識してルートを歩いてみると色々気づく事がありました。

disasters_02

例えば…

  • 自分の体力やペットの体力の変化。防災用品を背負ってペットを連れて避難する体力があるかどうか。
  • 歩きやすい靴をすぐに取り出しやすい場所に置いてあるか。靴ヅレを起こしたり足に負担がかからないか。
  • ペットを移動する時のペット用カートやリード、ハーネスに破損はないか、迷子札は身につけているか。
  • ペットが瓦礫の上を安全に歩けるような避難用のシューズを準備してあるか。
  • 夜間移動が必要な時のライトは準備しているか。

久しぶりに歩いてみて気がついた事は自分自身の体力です。私事ですが..ちょっと運動不足だなと思ってはいたものの、広域避難所まで以外と距離があると改めて感じたり、防災用品を持ちながら途中でワンコが歩かなくなってしまったら…抱きかかえて避難場まで歩くの?休憩を取りながら歩いていくの?
でも、緊急事態で速やかにその場から避難しなくてはならない状況の時にペットを抱きかかえて歩く体力が果たしてあるのかどうか…

ペット用の靴は必須?!
そんな事を考えながら歩く事一時間。時間に余裕がある時はペット用カートで避難も考えているのですが、ブロック塀のある道を歩いていて感じた事、もしもブロックが崩れたり家屋の倒壊が激しく瓦礫でカート走行が出来なくなってしまった時はどうする?
ペットをカートから下ろして徒歩でペットを誘導させる必要がありますよね。
犬が怪我をしないように犬用のシューズが必要ではないか?!と改めて購入を検討する事にしました。

両手が塞がるペット同行避難
夜間の避難は極力避けたいですが、万が一に備えてヘッドライトやランニング時に身につけるネックレスタイプのライトがあれば夜間や夕暮れ時のペット同行避難時に、両手が塞がっている状態でも明かりを頼りに進む事ができます。その他にも
リードに亀裂が入っている事にも気がつきました。

改めて避難ルートを犬と歩いてみると、ルートの再確認だけではなく不足している防災グッズや、改善するべき点がある事に気がつきました。

人間用やペットの非常食の賞味期限が切れていないか

リュックに詰めた非常食。あれ?これはいつのものだったかな?と気がついてみると..賞味期限が2年前の物だった!なんて事も。賞味期限は美味しくいただける期間で、期限が過ぎれば風味を損なったりフレッシュ感が無くなるだけだから大丈夫!という事もあるとは思いますが、保存期間にも限度はあると思います。私は毎年この時期に備蓄や行動用非常食の確認と入れ替えをするようにしています。

ワンコの非常食も期限が近づいたらご褒美用のおやつとして与える事が出来るので無駄にはなりませんよね。しかし、ペットのオヤツやフードを防災バッグがパンパンになるまで詰め込みすぎるのは考えものです。移動する時にはかなりの負担になるので、軽いドライフードや、お水を入れてふやかして食べれるジャーキータイプのフードなら軽量で持ち運びも楽になります。お水は人とシェアできるので常備しても無駄にはなりませんよね。

災害時に活躍できそうなアプリを携帯にインストールしておく

避難中の家族の安否確認やニュース、移動中の天候状況や防災施設が分かるアプリなどを予めインストールしておけば、いざという時にも慌てて検索する必要はないですよね。オフラインで利用できる地図もあるから万が一旅先や外出先での避難も迷わずにすむかもしれません。万が一の天候不良に備えてスマホ用の防水ケースと携帯充電器も用意しました。

  • Yahoo Japan 防災速報
    地震や津波豪雨などの災害情報をいち早く届けてくれる。
  • NHKニュース・防災
    様々なニュースや天気をはじめ災害情報も発信するNHKの公式アプリ。
  • MAPS.MeやMaps+
    オフライン環境でも利用できるナビゲーションアプリ。
  • 防災情報 全国避難所ガイド 
  • ライトのアプリ
    など…

飼育している犬や猫の情報を他者にも分かるようにしておく

私の飼い犬も迷子サポート付き迷子札「迷子のお守り」を身につけています。ペットプロフィールの公開設定は予めしてあるので、万が一の時でも保護してくれた人がQRコードをスキャン、もしくはIDをPetiesサイトで検索をしてくれればペットの情報を閲覧してもらえるようになっています。

ペットの健康状態は最新の物に更新を
ここで忘れてはいけないのが、ここ最近のペットの健康状態についてです。
ペットプロフィールの更新は時々チェックをして最新の物に更新する事をお勧めします。災害時には愛犬や愛猫と離ればなれになってしまう事も考えられるため、ペットと離ればなれになってしまった時は迷子札が唯一の命綱となります。

迷子札の状態をチェック
Petiesの迷子札「迷子のお守り」の場合、迷子札のQRコードがスキャンできるかどうか、IDが確認できるか、なども確認してみてください。経年劣化や破損で、いざという時にQRコードが読み取れなかったり、IDが読みにくい状態になってしまうとせっかくの迷子札も役に立たなくなってしまいます。

私の飼い犬の場合、数ヶ月前の手術歴や胃腸の調子がイマイチ芳しくないので、最新の健康状況を更新しました。病気や怪我、年齢と共に見た目が変わってきたペットは写真の差替えをする事もお勧めします。

飼主不在中の犬や猫の災害対策

想像したくはありませんが、私達飼主が留守中にペットが被災してしまう事も考えられます。私の居住エリアは過去の地震データから、津波の到達や家屋の倒壊などが想定されています。

犬や猫のお留守番の場所は環境に応じて設置してあげる
私の場合、犬のお留守番は津波や水害を配慮して2階と決めています。就寝はケージ内のクレートの中。クレートは万が一の地震で物が落下したり転倒してしまった時もクレートの中に逃げ込めば、被害は軽減できるかもしれません。何より自分のお家(クレート)が落ち着く場所と犬が思えば留守中も少し安心です。お水はたっぷりとペットボトル2本分と器に一杯用意しています。

迷子札は逃走してしまった犬や猫の命綱に
迷子札の装着は室内でも必須です。家屋の倒壊や災害のショックでパニックになってしまった犬や猫が逃走してしまう事も考えられるので日頃から迷子札を身につける習慣を付けています。ペットが保護された時に迷子札が未装着の状態だと、飼主が特定できなくなってしまいます。

自治体の防災情報が更新されていないか確認する
お住まいの居住エリアにもよりますが、各自治体の防災マップや過去の被害状況を確認して改めて対策をする事も必要ですよね。今回私の居住エリアでは、防災マップの見直しや避難経路のルート調整があったので新たな情報を家族で共有してインプットする事にしました。

 

この記事を書いている矢先の事、テレビから地震速報が流れました。8月31日19時50分、熊本県で震度5弱の地震が発生。「過去の災害をしつこく思い出すこと」この一言がパッと頭に浮かびました。これは、先月の熊本地震から3ヶ月たった7月14日に取り上げられたニュースの中で得た教訓です。今回、一通り防災用品を確認してみて改善点も見えてきました。避難ルートのお散歩はしばらく続けてみようかと思います。
みなさんも防災の日を機会に、飼育しているペットの為の災害対策について考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事
ペット同伴避難に必要な持ち物の優先順位等を紹介しています。
災害時のペット同伴避難

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう